映画「苺とチョコレート」

最近、カカオ豆が高騰しているそうです。なんでも産地のガーナやコートジボワールで異常気象が続いて、カカオ豆の生産が激減しているんですと。チョコレートもさらに値上がりしそうです┐(´д`)┌

木になるカカオの実。植物園で見た
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男は黙ってチョコレート!

むかしむかし映画館で「苺とチョコレート」という映画を見ました。珍しいキューバの映画です。公開は1994年。えっ、30年も前だ。驚きー。まぼろしー。

それはさておき、なかなかいい映画でした。アカデミー賞ノミネート、ベルリン映画祭で銀熊賞を受賞しています。昨今はLGBTだの同性婚だのがよく話題になりますが、そのたびにこの映画を思い出します。

というのは、主要登場人物にゲイが出てくるからですが、そのゲイの彼が広場でイチゴ味のアイスクリームを食べるシーンがあります。それがどうしたって感じですが、実はこれは反骨精神の表れなんですね。

(今は知りませんが)当時のキューバでは、男性がスイーツを食べることは女々しいこととされていて、男が公衆の面前でイチゴ味のアイスクリームを食べるのは、自らオカマである、異端者であると公言するようなものだったのです。

「男子たるもの、女子供のようにオヤツを好むべからず」という価値観は昔の日本でもなくはないですが、当時のキューバでは日本とは比べ物にならないぐらい偏見が強そうでした。

社会主義国なのにマッチョ思想とは、これいかに。

で、男が食べても許される唯一の例外スイーツがチョコレートなのです。なんでか知らんけど。アイスクリームもチョコ味はOKみたいです。線引きがよくわかりません。

スイーツ男子、おひとりさまが許される寛容さ

同性愛者の悲哀、政治的な思想の対立なども描かれるのですが、ストーリーは重苦しくない。かといって軽くもなく、見終わった後に残るのはしみじみ、さわやかな余韻。ゲイの彼がいい人なんだなぁ。

映画で見る限り、キューバというのは社会主義国にしては南国特有ののんびりした空気感があって、そのせいもあるのかもしれません。

それにしても、キューバの甘党の男性は苦労したことでしょう。チョコ以外の甘いものが食べたくなったら家族に買ってきてもらって、家でこっそり食べていたのでしょうか。

日本はその辺、まだまだおおらかでよかった。最近は男一人でケーキバイキングに行く猛者もいるそうで何よりです。

おひとりさま文化というのも、世界では意外と珍しいらしい。欧米なんかは完全につがい文化というか、カップル文化だし。

集団主義的で窮屈なような我が国ですが、見方によっては意外に自由。スイーツ男子万歳! おひとりさま万歳! 

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