毎日難儀なことばかり~
介護のために実家に戻ってから流し見しているNHKの朝ドラ。今放送中の「ばけばけ」の主題歌、「毎日難儀なことばかり~♪」が己の日常とかぶって、刺さりまくりのねじねじ草でございます。
とはいってもドラマ自体はさして刺さらず、1回や2回見逃しても全然気にならないほどテキトーに見ていたのですが、県知事閣下のご令嬢・おリヨ様が登場してから面白くなってきた。
おリヨ様は、ヘブン先生(小泉八雲がモデル)とヒロイン・おトキちゃん(小泉セツがモデル)の当て馬的ポジションなので、彼女の登場で物語が動き出すのは当然として、おリヨ様の強烈キャラを演じる北香那さん、なかなかいい女優さんではないでしょうか。
ただ、当て馬ポジションだけに、おリヨ様の出番がもうすぐなくなりそうで寂しいです。
いろいろ気になる
- 「着物警察」が憤死しそう
で、この「ばけばけ」、セリフ回しの時代考証はもう目をつぶるとして、どうにも気になるのがおトキちゃんが夏も冬も同じ着物を着ていること。
着物には裏地のない単衣(ひとえ)と裏地のある袷(あわせ)というものがあることぐらい、着物に縁のない私でも知っています。
あの寒そうな松江の冬を夏と同じ着物(単衣に見える)で通すのは、着た切り雀の演出としても、ちょっと筋が違うような。それにおトキちゃん、今はそれなりのお給金をもらっているし。
「着物警察」の皆様からNHKにご意見が殺到していそうなものですが、どうなのでしょう。
- 寒さに強いおトキちゃん?
寒さに弱いヘブン先生、松江の寒さに気管支をやられて寝込んでしまうのですが、「寒い、ジゴク」と言っているのに、いつ見ても掛け布団1枚きり。もちろん敷布団も1枚。
この家にはほかに布団はないのか、おトキちゃん布団を追加してあげなよと思っていたら、おリヨ様が湯たんぽを持ってきてくれた。
お嬢様育ちのおリヨ様のほうがよく気が付くじゃないか。
無理やり善意に解釈すると、着物の件といいおトキちゃんはとても寒さに強い体質で、寒がるヘブン先生のつらさがイマイチわからなかったのかもしれません。
- メジロもメイクしているのか?
劇中に登場していたメジロ、目のフチの白い輪が異様にデカい。幅広い。特殊な種類のメジロでしょうか。
冬、道端で寒さで動けなくなったメジロを拾ったことがありますが、あんなに白フチが幅広くない。
まさかとは思いますが、メジロもメイクをしているのか?
- 主賓が下座
県知事閣下の邸宅でヘブン先生がおもてなしを受ける場面がたびたび登場しますが、いつも気になるのが席次。主賓のヘブン先生が下座で、知事の部下的立場の錦織(吉沢亮)が上座になっている。
今よりも礼儀作法に厳しい時代、違和感ありまくり。演出上、おリヨ様とヘブン先生を差し向いにするためとはいえ、どうにもこうにも気になる。さして広くないテーブル、差し向いとはす向かいにどれほどの差があるというのか。
駄作率、上がってませんか
お昼の再放送の前に、過去の朝ドラの再放送を流していますが、正直、現在進行中の朝ドラより楽しみに見ていた(る)のが、「カムカムエブリバディ」と「とと姉ちゃん」。
見るに堪えない駄作率がめっきり上がったNHK朝ドラですが(個人の感想です)、意外にいいドラマもあったんだと思いました。
といっても、「とと姉ちゃん」は2016年、「カムカムエブリバディ」は2021年の放送。結構前だ。
今年前半の「あんぱん」も期待ハズレでした。素材はいいはずなのに、下手な調理のせいでマズい料理に仕上がった印象。特に後半部分が失速した感じです。
奥さんに焦点を当てすぎて、肝心のやなせたかしがかすんでしまっていました。それだけでもヘキエキしたのに、必然性のない奥さんの姉妹のエピソードに長々と尺を取るに至っては、一体何がしたかったのか。
いずみたくとか永六輔とか面白そうな登場人物がいっぱいいるのだから、その辺の絡みをもう少し丁寧に描いてほしかった。
カテゴリーとしては「ゲゲゲの女房」(2010年)と同じはずが、仕上がりは雲泥の差になってしまいました。
さて、おリヨ様がいなくなってしまう(多分)のがつまらないですが、今後の「ばけばけ」の化けっぷりに、テキトーに注目していきたいと思います。
