そうだ、航空祭行こう
11月3日、急に思い立って入間航空祭に行ってきました。前日の大雨から一転して天気が急回復するというので、出かける気に。ブルーインパルスも来るし。
広く浅くの乗り物好きとしては、航空祭と聞くとソワソワします。ただし、ブルーインパルスが来るとなると、かなりの混雑を覚悟せねばなりません。
というわけで、開門前に到着しようと頑張って早起きしましたよ。ブルーインパルスは13時からですが、他の輸送機や練習機の展示飛行は午前中に集中しているので、これらも見たいし。
マイ座布団は航空ヲタの証
入間基地の最寄り駅は西武鉄道の稲荷山公園駅ですが、乗り換えの所沢駅からすでに航空ヲタっぽい人、多数。見分け方は、リュックサックに折りたたみ座布団もしくは携帯座布団を装備していること。
レジャーシートや折りたたみ椅子の持ち込みが禁止されているため、座りたくなったら地べたに座るしかないという過酷な環境に備え、ベテラン勢はマイ座布団を抜かりなく準備しているのです。
関係ないですが、ホームには長い柄のついたマイクをスピーカーに押し当てて構内アナウンスを録音している鉄ヲタもいて、鉄ヲタと航空ヲタの錯綜がなかなかアツかった。
西武鉄道も警察も抜かりなし
稲荷山公園駅には、臨時改札がつくられていました。西武鉄道、さすがに慣れています。駅周辺には警察官も配備され、これまた手慣れた感じで通行人をさばいている。
朝早いのに混むなーなどと思っていたのですが、のちの混雑に比べればこんなもんは序の口でした。昼が近づくにつれ、西武も警察も万全の態勢を敷くはすだという大・大混雑ぶり。
快晴+ブルーインパルスとなると、来場者が20万人近くになるとかなんとか。
でも、肝心の基地内の誘導はほとんどナシ。動線もごちゃごちゃ。西武と警察が頑張っているのに、主催者たる基地内の混雑対策が手薄とはどういうことか。帰り際など、将棋倒しの危険性を感じましたよ。
ずんぐりむっくりの輸送機も味わい深い
「カモノハシ」の愛称を持つ電子戦機、EC-1を皮切りに、練習機、輸送機が次々に展示飛行。ふとっちょの輸送機が急上昇したりするのも、なかなか趣深い。やっぱり飛行機は飛んでこそなんぼ。
若い女子隊員とおぼしき方のナレーションは噛みまくりでした。かわいらしい声なんですけどね、高度とか肝心なところでつっかえるもんだから、内容が頭に入ってこない。リハーサルとか練習とかしてないの?
午前の展示飛行が終わってからブルーインパルスまで2時間ほど間が空く。午前の部で結構満足したので帰ろうかと思ったけれど、せっかく来たしな~。
ハナシの種にも見ていくかと、地上展示の飛行機を見たり、持ってきたおやつを食べたりして時間をつぶす。
その間にも、どんどん人が増えてくる。売店まわりは黒山の人だかり、トイレには長蛇の列。
いいから早く飛べ
待ちくたびれた。やっと13時。さあ~、ようやく始まるぞーという人々の期待感が広がる。ちびっこを肩車するパパたち。
だがしかし。ここから長い長い、牛のおしっこのような前フリが続くことを彼らは知らないのであった。もちろん私も知らなかった。
パイロット一人ひとりの紹介に始まり、「これからパイロットは酸素マスクを装着したのちにフラップ(だったかな)の点検を~」「整備士との息の合ったうんたらかんたらをごらんください~」、実況が延々と続く。
ごらんくださいと言われても、見えないのよ、大多数の人は。10分が過ぎたころ、待ちくたびれたパパたちが肩車から子供を下ろし始める。
機体から遠く離れた群衆を置いてけぼりにした実況がようやく終わり、今度はブルーインパルスの歴史の紹介がはじまる。静かに広がるイライラ感。この時点で20分が経過。
腕時計に目をやるおじさん。息子や娘と来ているジジババは、立ちっぱなしでつらそうである。
追い打ちをかけるかのように、「ここで航空自衛隊の歴史を紹介します」と来た日には、脱力のちに怒りが湧いてきた。ここで、その説明入れる? おかしいだろ、構成が。
後ろにいた夫婦の旦那さんのほうが、まさに私がさっきから思っていた言葉を口にした。
「いいから早く飛べ」
花火とブルーインパルスは遠きにありて見るもの
長い長いおあずけをくらった後、13時30分にようやく離陸開始。快晴の空を背景にした飛行は、少し傾きかけた陽の光を受けて機体がキラキラと輝き、それはキレイでした。
まー、見といてよかったとは言える。ただ、地獄のような混雑とおあずけの長さが感動を何割もディスカウントした感じ。
今後、各地の航空祭に行くことはあっても、ブルーインパルスの展示飛行を会場で見ることはないでしょう。
ライト級よりさらに軽いフェザー級航空ファンとしては、花火大会と同様、音の迫力を味わえる程度に離れた場所からのんびり見物するぐらいがちょうどいいと思いました。
『大空に描かれる「夢・感動」』を見るのも楽じゃないのです。