互換と純正をめぐる熾烈な戦い 

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それはさておき互換インクが認識されない

ブラザーの古いインクジェットプリンタを使っているのですが、ある日インク切れのエラーメッセージが。シアン(青)のインクがなくなったという表示が出ているので、買っておいた互換カートリッジに交換したのです。

ところが! 何度やり直しても認識しない。今までも同じ互換インクを使っていましたが、特に問題なく使えていたのに。

で、出てくるのは「純正以外のインク使って故障してもウチは知らんで(意訳)」という表示。こんな表示、出たっけ。

昔は純正インクを使っていましたよ。でも保証期間はとっくに過ぎたし、万が一の不具合も織り込んで自己責任で使っとりますがな。だから認識しろ。

ネットで調べまくって、出てきた方法全部試してもダメ。何をどうやってもダメ。

当座モノクロ印刷でしのごうにも、4色全てのインクが足りていないとモノクロ印刷さえできないという融通のきかなさ。

むかし使っていたエプソンのプリンタは、カラーインクのどれかが残量不足でもブラックインクが残っていればモノクロ印刷はできた。そのほうが合理的だしユーザーには便利(今はどうなっているか知らないよ)。

ブラックインクは足りているのにモノクロ印刷もできないというのは、うんこ仕様すぎる

何がなんでも純正インクを買わせようとする強い意志を感じる

互換インクが認識されない理由を調べているうちにわかったのですが、互換インクをめぐっては、プリンタメーカーと互換インクメーカーでちょくちょく訴訟沙汰になっているんですな。

2021年:東京地裁がブラザーに独禁法違反があったとして賠償命令

互換カートリッジメーカーのエレコムがブラザーに対して、純正品以外のインクを使えない設計にしたのは独占禁止法違反だとして訴えた裁判では、東京地裁が違法性を認め、ブラザーに賠償命令が出た。

2023年:大阪地裁がキヤノンに対する独禁法違反の請求を棄却

再生インク業者のエコリカがキヤノンに対して、リサイクルインクを使えなくしたのは独占禁止法違反だとして訴えた裁判では、大阪地裁が違法性を否定し、エコリカの請求を棄却

現状、1勝1敗といったところ。もしかして2023年の大阪地裁でプリンタメーカーに有利な結果が出たことで、ブラザーも再び強気に出たんか? そうなんか?

ICチップがアヤシイ

いろいろ調べているうちに、「ICチップで互換インクを使用した回数をカウントしていて、一定回数以上使うとストップがかかる」とか、都市伝説みたいな話も出てきました。

でも、PCにはプリンタドライバが入っているわけで、ネット経由で定期的にアップデートしているのだから、あり得ない話ではない。

とりあえず埒が明かないので、シアンについては急遽純正インクを買いました。ブラザーの高笑いが聞こえてくるようだ。

互換のなかに純正がひとつ~

プリンタメーカーは純正インクで儲けるビジネスモデルゆえ必死になるのもわかるけど、消費者は置いてけぼりー。古いプリンタだから壊れるリスクも負って安い互換インクを使うておるんじゃ。

買い置きしてある他の色の互換インクが使えるのかどうか戦々恐々。シアン同様認識しなかったら捨てるしかないのか。「エコ」なんておへそが茶を沸かしちゃいますわ。

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