光が強く当たる場所は影も濃い

最近騒がれているフジテレビの性的上納問題。外資の株主から物言いがついて以降、各局渋々といった感じで取り上げ始めました。その腰の重さを見るに脛にキズ持つ者同士、なんとか事を大きくせずにやり過ごしたい感がアリアリでした。

ところが、先日のフジテレビのクローズド記者会見が想像の斜め上を行く非常識さだったために大炎上しております。黒船からぶっ放された大砲に、根回し&天下り&忖度パワーがどのような効力を発揮するのか見ものです。

おっと、今、ニュースでフジテレビの遠藤龍之介副会長の会見映像が流れた。この人、遠藤周作の息子なんだよな。遠藤周作が生きていたら、なんと言ったことか。

次いで、フジ・メディアHDの金光社長の記者会見映像が。なんか逆ギレ気味だわ。こりゃ反省してないな~。

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「ギョーカイ人」の傲慢さ

近所の廃校になった学校の校庭でドラマの撮影やってたんですよ。何のドラマだったか、校庭に撮影用の救急車やパトカーをずらりと並べて、結構大掛かりにやっていました。遠目に小さく松潤こと松本潤が見えました。

で、廃校と道一本隔てて、ビルの解体工事をするというので鳶職の人が足場を組んでいたのです。当然カーン、カーンと金属音が出るわけですが、驚いたことに、ドラマのスタッフが悪びれもせず「撮影中なんで、静かにして」みたいなことを職人さんたちに言ってるわけ。

申し訳なさのみじんもない上からの物言いに、わたしゃびっくりしましたよ。「すみませんが」とか「申し訳ないんですけど」の一言もなく、「止めて当然」というのが透けて見える傲慢さ。

足場工事だって期限があるでしょうよ。ドラマの撮影がナンボのもんじゃい。

もういっちょ。朝の通勤時間帯に駅までの道を歩いていたら、何かの撮影隊が歩道を独占してなんか撮影している。自主製作映画みたいなショボい撮影隊だったけれど、歩行者に向かって「反対側通ってくださーい」とか偉そうに指示してくる。

思わずそいつを睨みつけた。もともと反対側に渡る習慣だったので渡ってやったが、急いでいなければわざと脇を通ってやりたいところだった。通勤時間帯に邪魔なんだよ。公道で撮影するのに許可とってんのかよ。

「ギョーカイ人」って、とにかく横柄。奴らは一体何様のつもりなのか。

地デジ移行時の周知ポスター

テレビがアナログ放送から地上デジタル放送に移行するときの周知ツールのなかに、各局の女子アナが揃いの白いスーツを着て、ずらりと並んでいるポスターがありました。

女子アナマニアにはたまらんかったでしょうな。どうでもいいけど。

各局それぞれ数名の女子アナを出していて、局名と名前のキャプションがついていたと思う。それぞれ局のカラーが出ていてなかなか興味深かったんですが、フジテレビの女子アナ連中が妙に「お水っぽいな」と思った覚えが。

直観というのはバカにならないものだと、今回の騒動があって、そんなことを思い出しました。

出雲阿国~役者買い~興行の系譜

歴史を遡っても、歌舞伎の起源となった出雲阿国の踊りもエロ系だったというし、江戸時代には贔屓の歌舞伎役者を富裕層の女人が買う「役者買い」なる慣習が存在したし(今でいうホスト遊びみたいなもんか)、芸能界というのは成り立ちからしてそういう世界なわけで。

だからこそ、昭和の時代でさえカタギの家の子女が芸能界に入るものではないとされたのです。

今回の騒動は本来「カタギの家の娘」であるテレビ局社員が、会社ぐるみでタレントへの性的上納に使われたのではないかという点が大問題となっています。コンプライアンスなにそれ状態。仮にも上場企業が。

かつて高橋英樹が、娘の真麻が芸能界に入りたいといったときに断固として反対し、女子アナならというので仕方なく許可したという話がありましたが、高橋英樹は今回の騒動をどう思っているのでしょうか。

フツーの感覚ではやっていけない世界

映画「Wの悲劇」で、三田佳子演じる売れっ子女優が言い放ったセリフ。「オンナ使いませんでした? 私は使ってきたわ」。迫力あったなぁ。

華やかなスポットライトがまばゆい分だけ、影の部分が濃いのがショウビズの世界。

かつてNHK朝ドラやフジ月9のヒロインを務め、美貌はもちろん、気さくな人柄で女優には珍しく飾り気のない人だなと好感を持っていた女優さんがいます。

いつの間にかドラマに出なくなり、やがてパニック障害で休養というニュースが入って以来、いまだに完全復帰したというニュースを聞きません。

数年前に久しぶりに深夜帯のドラマに出ているのを見かけましたが、やっぱりどことなく病んでいる雰囲気で痛々しかった。

勝手な推測ですけれども、たぶん、彼女は良い意味でとってもフツーの感覚を持った人なのでしょう。で、フツーの感覚を持っているがゆえに、芸能界の影の部分に馴染めず病んでしまったのではないかと。


無邪気に芸能界に憧れる若人には、オンナに限った話ではなくオトコも使わないといけない、それを承知の上でのし上がる覚悟があるのかと問うてあげるべきだと思います。

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