「テルマ&ルイーズ」へのオマージュ、「照子と瑠衣」
「女の友情はハムより薄い」。同意です。
ただ、女の友情もごくまれに成り立つこともある。ごくまれに。そんなことを思ったのは、最近、NHKBSのドラマ「照子と瑠衣」を見ているもんですから。
あらすじは中学以来の友人、照子と瑠衣という老境に差し掛かった女性二人の逃避行。第1話ではちょっとテンポが悪くて脱落しそうになりましたが、辛抱して見ていたら中盤になって面白くなってきた。
映画好きなならピンときますね。「照子と瑠衣」というタイトル、「テルマ&ルイーズ」にかけているのでしょう。

「テルマ&ルイーズ」(1991年公開)といえば、女性二人のクライム逃亡劇として有名。監督はリドリー・スコット、主演はスーザン・サランドンとジーナ・デイビス。アカデミー賞6部門ノミネート、脚本賞受賞。
ウィキペディアを見ていたら、「ブラッド・ピットの出世作」とか書いてある。そういえば、あの若者か。あんまり覚えてないけど。
「ボニー&クライド」の女性版といってはあまりに雑なくくり方ですが、要は女性二人の逃避行です。
大昔に見たのでうろ覚えですが、ごく普通に生きてきた女性二人が、あるきっかけから警察に追われる身に。逃亡を続けるにつれ思い切りよく銃をぶっ放し、脱法行為に及んでいく様子が印象に残っています。
この意外な大胆さというのは、「照子と瑠衣」では風吹ジュン演じる照子に反映されています。一度も外で働いたことのない箱入り専業主婦の照子が、他人の別荘への家宅侵入をためらうことなくやってのける。
ドン引きしつつも、そんな照子を受け入れる瑠衣(夏木マリ)。彼女もある意味人生崖っぷちなのですが、前向きに照子との暮らしを楽しんでいきます。
「フライド・グリーン・トマト」

こちらも女の友情を描いた名作「フライド・グリーン・トマト」(1992年公開)。主演はキャシー・ベイツで、「ミザリー」の怪演とはまったく違う演技が見られます。
舞台はアメリカ南部、ある老女の回顧をベースにストーリーは進みます。
「フライド・グリーン・トマト」というのは、老女がかつて友人と営んでいた食堂の看板メニューで、青いトマトを輪切りにしてフライにしたものだそうな。あんまりピンときませんが、看板メニューなのだからきっとおいしいんだろう。
それはさておき、ストーリーの柱は女の友情ですが、サスペンス風味のある人間ドラマといいますか、なかなかスリリングな展開です。
「テルマ&ルイーズ」といい、「フライド・グリーン・トマト」といい、ある意味、生きるか死ぬかの修羅場の中で成り立っている友情なので、女性にありがちなうすっぺらい仲良しごっこではないんですよね。
「照子と瑠衣」はそこまで切迫した修羅場というわけではないですが、それぞれ抱えているものはある。「テルマ&ルイーズ」へのオマージュとしてどんな結末を迎えるのか、楽しみに見守りたいと思います。