NHK朝ドラ「風、薫る」視聴メモ

丁寧な時代考証に好感

今期の朝ドラ「風、薫る」。毎朝楽しみに見ています。時代考証や所作、まずまず丁寧につくられているのも良い。言葉遣いは「うーん」と思うところもありますが、最近の時代ものでは頑張っているほう。

出演中の生田絵梨花が「あさイチ」にゲスト出演して、かなり所作指導が厳しいという話をしていたので、「なるほど」と納得したのでした。

感心したのは「お辞儀」。ヒロイン・りんの小腰をかがめるお辞儀に、「ああ、昔の時代劇で見た」と懐かしい気持ちに。あと、ヒロイン二人がそろってお辞儀をするシーンで、両手を太ももの前あたりで揃える、古式ゆかしい日本のお辞儀をしていたのにも感心したのでした。

やっぱり所作・時代考証・言葉遣い等々、ここらへんがおろそかな時代物は仕上がりが薄っぺらいし、見ていてストレスがたまる。

その点「風、薫る」は、イライラせずに見ていられます。

巧い役者は、役によってガラリと変わる

当たり前ですが、役によって全然印象が違って見えるのが巧い演者ってものだと思います。

その逆が、「何をやっても●●(役者の名前が入る)」シリーズ。

この●●に入るビッグネームの代表格が、吉永小百合、沢口靖子、木村拓哉。古いところで渡哲也。弟の渡瀬恒彦は巧かったのに、兄弟でも演技力は似ないものか。まだまだいるけれど、すぐに思いつくのがこのあたり。

反対に、役によって全然違う雰囲気をまとうので記憶に残るのが、加藤治子。浅見光彦シリーズのお母様のような上品な良妻賢母から、くずれた雰囲気のバーのマダムまでピタリとはまっていた。

内野聖陽も役によって全く印象が変わる俳優。「蝉しぐれ」「ゴンゾウ」「きのう何食べた」を見ればわかります。

で、「風、薫る」で巧いなと思った筆頭が、藤原季節。もう一人のヒロイン・直美をだます小悪党の演技がとてもよかった。「まぐだら屋のマリア」での実直な板前と全然違うので、最初同じ俳優だとわかりませんでした。

あとは、大山捨松役の多部未華子もよかった。伯爵夫人役の仲間由紀恵はそれほど演技巧者とは思わないけれど、やっぱり存在感も華もある。

脇役をしっかり固めているのも、引き込まれる理由の一つだと思われます。

演技力は天性のものか、訓練で補えるものか

これについては、両方とも正解な気がしますね~。昔はひどい大根だったけど見られるようになってきたなと思う人もいるし。歌手や芸人出身で演技の訓練など受けていないはずなのに、はなから演技力のある人もいるし。

泉谷しげる、片岡鶴太郎、山口 智充(ぐっさん)あたりは、後者ですかね。みんな芸達者。ピエール瀧も謎の存在感があります。あとダウンタウンの浜田雅功が意外にも演技ができていたような気がする。

仮にも「芸能人」と呼ばれる職業なのだから、何かしら「芸」はないとダメだと思うんですよね。

美貌も「芸」のうちと言われればそうかもしれないですが、歳とともに減価償却されていくのが残念なところ。

朝ドラヒロインの場合、演技力はあるに越したことはないですが、それよりも求められるのはフレッシュさだと思うので、そういう意味でも「風、薫る」のヒロイン二人は適材だと思います。

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