NHK朝ドラ「風、薫る」視聴メモ

ストレスなく見られる

今期の朝ドラ「風、薫る」。毎朝楽しみに見ています。時代考証や所作、まずまず丁寧につくられているのでストレスなく見られます。言葉遣いは時々「うーん」と思うところもありますが、最近の時代物では頑張っているほう。

出演中の生田絵梨花が「あさイチ」にゲスト出演したとき、かなり所作指導が厳しいという話をしていたので納得したのでした。

感心したのは「お辞儀」。ヒロイン・りんの小腰をかがめるお辞儀に、「ああ、昔の時代劇はこうだった」と懐かしい気持ちに。

あと、ヒロイン二人がそろってお辞儀をするシーンで、両手を太ももの前あたりで揃える、古式ゆかしい日本のお辞儀をしていたのにも感心したのでした。

どんなお辞儀かというと、下記の記事のような立礼。小笠原流の立礼では手は前に組まないんですよね。

もちろん、脚本も正統派で順当にストーリーが展開していくのもよい感じ。「あんぱん」のように意味なくヒロインの姉妹にフォーカスしたり、「ばけばけ」のように笑えない小芝居が挟まれたり、変な脱線が少ない(今のところ)のも安心して見ていられます。

「あんぱん」は我慢して最後まで見届けたものの、「ばけばけ」は途中で脱落。

「風、薫る」もどこかの芸能事務所のゴリ押しや謎の圧力に曲げられることなく、このまま進んでほしい。

6/22追記:とか書いたら、ヒロイン妹への無意味なフォーカス、キター! なにこれ、最近の流行りなの? 妹のマリッジブルーで丸々3話ぐらい費やした。伏線として後に回収するならともかく、こういうの本当にいらない。迷走の予感。

巧い役者は、役によってガラリと変わる

で、「風、薫る」で巧いなと思った俳優が、藤原季節(ふじわら きせつ)。ヒロイン・直美をだますジゴロ的小悪党の演技がとてもよかった。

これまたNHK土曜ドラマ「まぐだら屋のマリア」での実直な板前役と全く印象が違うので、最初は同じ役者だと気づきませんでした。

当たり前ですが、役によって全然印象が違って見えるのが巧い演者だと思います。

その逆が、「何をやっても●●(役者の名前が入る)」シリーズ。

この●●に入るビッグネームの代表格が、吉永小百合、沢口靖子、木村拓哉。古いところで渡哲也。弟の渡瀬恒彦は巧かったのに、兄弟でも演技力は似ないものか。まだまだいるけれど、すぐに思いつくのがこのあたり。

反対に、役によって全然違う雰囲気をまとうので記憶に残るのが、加藤治子。「寺内貫太郎一家」や浅見光彦シリーズでの良妻賢母から、くずれた雰囲気のバーのマダムまでピタリとはまっていた。

内野聖陽も役によって全く印象が変わる俳優。「蝉しぐれ」「ゴンゾウ」「きのう何食べた」と見比べると芸達者ぶりがわかります。

「風、薫る」はその他の脇役も手堅いので、そこも安心して見られるのだと思われます。

演技力は天性のものか、努力で補えるものか

これについては、両方とも正解な気がしますね~。昔はひどい大根だったけど見られるようになってきたなと思う人もいるし。歌手や芸人出身で演技のトレーニングなど受けていないはずなのに、ハナから演技力のある人もいるし。

泉谷しげる、片岡鶴太郎、山口智充(ぐっさん)あたりは、後者ですかね。みんな芸達者。ピエール瀧も謎の存在感があります。あとダウンタウンの浜田雅功が意外にも演技ができていたような気がする。

仮にも「芸能人」と呼ばれる職業なのだから、何かしら「芸」はないとダメだと思うんですよね。

美貌も「芸」のうちに入るかもしれませんが、年齢とともに減価償却されていくので、演技力がないまま歳をとっていくと残念なことになりますね。

朝ドラヒロインの場合、演技力はあるに越したことはないですが、それよりも求められるのはフレッシュさだと思うので、そういう意味でも「風、薫る」のヒロイン二人は適材だと思います。

目次