「デ・キリコ展」に行ったら陶器市にはまった話

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上野公園で禁断の出会いを果たしてしまう

コロナ禍以来、都心に出ることもなく土の香り豊かな秘境にひっそり生息していました。帰省するときは東京駅をかすめたけれども、娯楽のために都心に出るなんてことはなかったのでございます。

ここへきて世間より3周ぐらい遅れて、ぼちぼち都心に這い出すようになりました。街に出ればやっぱりいろいろな情報が目に入るもので、駅でみかけた東京都美術館の「デ・キリコ展」の大看板もその一つ。

パンフレット

これはちょっと見たい。めっちゃ好きな画家というわけでもないけれども、NHKの「日曜美術館」に取り上げられて大混雑したりする前に行っておきたい。

ということで、お久しぶりの上野にれっつらごー。

久しぶりの地下鉄乗り換えでうろうろしたりしてお上りさんぶりをいかんなく発揮し、外国人観光客と修学旅行生でカオスな上野公園にたどりつきました。

だだっ広い園内を東京都美術館を目指して歩いていたら! 噴水広場で「大陶器市」が絶賛開催中ではあーりませんか!! 

やきものに目のないねじねじ草、たちまち美術館ルートからぐいーんと足が逸れそうになる。まさかここで出会ってしまうとは……。

この肩すかし感はデジャヴュ

そうはいっても、今日の目的はキリコ展だからと自分に言い聞かせ、陶器市は展覧会の後で寄ることにして、美術館のチケットカウンターへ。当日券2,200円ナリ。円安のせいか? 以前より割高な感じがする。

トーハク(東京国立博物館)のかなりしっかりした企画展でも2,000円は超えなかったと思うんだよなぁ。こんなところまでインフレかい。

展覧会はキリコの肉筆が見られたのはよかったのですが、展示方法とかなんか不完全燃焼。この微妙な肩すかし感、東京都美術館の展覧会で前にも感じた覚えが。やっぱりトーハクのほうがいいや。

あと、もうひとつげんなりしたのは、企画展グッズを売るコーナーで販売スタッフが目を皿のようにして客を監視していたこと。以前にはなかった光景。

「なんでこの娘はこんなに凝視しているのかな?」と思ったら、客を監視する役目の販売スタッフでした。うへぁ。そんなに客層悪くないと思うんだけどなあ。嫌な世の中になったもんだ。

ファイルぐらい記念に買おうかという気もたちまち消え失せ、さっさと立ち去る。

そんなこんなで心が豊かになるどころか、なんだか心がささくれ立ったキリコ展でした。あ、運営面が個人的に残念だと思っただけで、絵そのものはよかったですよ。念のため。

大陶器市>キリコ展

さー、気を取り直して大陶器市だ。観賞用の陶器は決して買わず必需品にとどめることを自分に言い聞かせる。大体、持って帰る道中のことを考えても買いすぎはダメ! ゼッタイ!

益子焼のマグカップに激しく心惹かれるものの、マグカップは間に合っているので涙を呑んでスルー。

必要なのは急須と、スープ用のカップ、あと麺用のどんぶりにひびが入っているので、どんぶり鉢。

おっと3点1,100円の特売コーナーがあるではないか。外国人観光客も群らがっている。ここでスープカップとどんぶりがそろってしまった。ありがてぇ、ありがてぇ。レジも長蛇の列でした。

あとは急須だ。できれば常滑焼か万古焼がいいけど、ちょっと見かけたものはあんまり割安な感じはしない。

波佐見焼の特売コーナーで、絵付けのきれいな急須が目に留まる。1個1,000円。即決。レジのおっちゃんによると、持ち手のほんの小さな点々のせいでB級品となっただけで定価は2,000円なんですと。

ちゃんと窯の名前が入っているし、1,000円なら十分。

ということで、早々に欲しいものは買えたので、ラッシュが始まる前にさっさと帰路につく。いや、これだけにとどめといてよかったわ。帰り道、重いのなんのって。

陶器の代金とキリコ展のチケット代はほぼ同額でしたが、満足度は大陶器市>キリコ展だったのでしたー。

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