オチなし。ヤマなし。動物にまつわる少し不思議な話を思いつくまま書いてみます。
先導してくれるものたち
神社の参道のちょうちょ
ある夏の日、退屈だったので、母親と車で少し山の中にある神社までドライブすることにしました。由緒正しい神社ですが観光地でもなく、普段は無人で、ごく簡素なひなびた神社です。近くの道の駅みたいな物産館に立ち寄ってみたかったっていうのもあります。
で、神社に着いて、小ざっぱり手入れが行き届いた細い砂利道の参道を歩いていたら、小さなシジミ蝶みたいなちょうちょがどこからともなく現れて、砂利道を先導してくれるんですよ。私たちが追いつきそうになると、ちょっと飛んですぐ先に降りる。で、また追いつきそうになると、ヒラヒラ飛んで少し先に降りる。そんなことを20メートルぐらい繰り返したかな~。砂利道の脇は林なので、いくらでも林の中に逃げられるのに、ずっと参道を逸れない。
本殿に着く前にはどこかに行ってしまいましたが、偶然にしては長すぎて、今でもたまに母親と「不思議だったね」と話題に出ます。その後何かラッキーなことがあったとか、そういうのはないです。
上高地のニホンザル
上高地の河童橋近くに、人慣れしたニホンザルの群れがいますね。あるとき、上高地に一人でトレッキングに出かけて林道をとぼとぼ歩いていたら、背後から「タッタッタッ」と聞きなれない音が近づいてくる。
ぎょっとして振り返ったら、林の中から大きなニホンザルが一匹、駆けてくる。一瞬、飛び掛かられたらどうしようかと身構えましたが、サルは私を追い越して、そのまま行ってしまうのかと思いきや、なぜか私のすぐ前を歩きだして、時々振り返りながら先導してくれるのです。別に道に迷ってたわけじゃないんですけどね。
河童橋のあたりまでサルの先導は続き(その間5分ぐらいだったか)、橋のたもとでサルは仲間と合流してそのままどこかに行ってしまいました。エサがほしいというふうでもなかったし、サルがどういうつもりだったのか、いまだによくわかりません。
上高地では、最近はサルに加え、クマの目撃情報も増えてきているようです。秋の紅葉シーズン、出かける方はご注意を。
猫の会議
そんなに珍しくもないかもしれませんが、猫の会議に遭遇したことがあります。夜、7~8匹の猫が車座になって、本当に会議をしているような感じでした。
ただ静かに円陣を組んで、毛づくろいしたりしている猫もいる。邪魔しちゃ悪いので、立ち止まってじろじろ見たりはしませんでしたが、人の気配に感づいても特に逃げるわけでもない。普段、そんなに猫を見かけない地域で、どこからあんなに猫が集まったのか不思議です。猫の会議を見たのは、後にも先にもこのときだけです。
以上、オチなし、ヤマなし、だからどうしたっていう動物にまつわる不思議な出来事でした。