人さらいから、安産・子育ての神へ
あちこちのお宅の庭で、ザクロの実がきれいに色づいています。ザクロといえば鬼子母神。鬼子母神といえば、人間の子供をさらっては喰らっていたというおそろしいインド起源の女神様。しかも自身も子持ちで、その数、500人とも1000人とも。いずれにせよ多産です。
お釈迦様がこらしめのために鬼子母神の子供を一人かくしたところ、非常に取り乱したという子煩悩かつ究極の利己主義ママです。まあ改心して安産・子育ての神様になったからいいようなものの。
お釈迦様が今後もし人間の子供を喰らいたくなったらザクロを食べなさいと諭したことから、ザクロといえば鬼子母神を象徴する果実となりました。ザクロは10月が収穫時期で、自然に皮が割れて中の深紅の実が顔をのぞかせてからが食べごろですが、今の時期も外側の皮がきれいに色づいていて、観賞用としても十分目を楽しませてくれます。
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女性の美と健康に
鬼子母神とザクロというのは、実にうまい組み合わせだと思います。裂けた皮からのぞく深紅の実は人間の血を思わせ、子供を喰らっていた鬼子母神のイメージにぴったり。粒粒のたくさんの実は子孫繁栄の象徴です。かつ、ザクロの実はポリフェノールやビタミンCなど、女性の美容と健康に役立つ成分が豊富に含まれているせいか、昔から洋の東西を問わず女性によい果物とされてきました。
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実をつけているザクロの木の姿はインド由来の神様にふさわしく、どことなくエキゾチックな雰囲気をたたえています。ザクロの原産はイランとか中近東あたりということで、その異国情緒も納得。
ザクロの実は非常にすっぱくて種がぶつぶつしてあんまりたくさん食べたいというものでもないですが、庭木として植えているお宅はどうしてるんですかね。ジュースとか? ほぐして冷凍かな?
集合体恐怖症の気のあるねじねじ草としては、ザクロの実の粒粒を見ているとゾワゾワしてくるので(笑)、今の時期のザクロを外側から観賞させてもらっときます。