フィギュアスケートTV観戦記(3)~いい演技はあっという間に終わってしまう~

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月の光ふたたび

グランプリシリーズ最終戦、NHK杯。鍵山優真くんの復活劇も圧巻でしたが、視線が吸い寄せられたのは宇野昌磨くんの演技です。

トップスケーターでも「もう一度見たい」という演技にはなかなか出会わないものですが、昨日の宇野くんのSPはねじねじ草プレゼンツ「もう一度見たい演技」にランクイン決定です。昨年のエキシビジョン「マイケルジャクソンメドレー」もランクインしていますが、昨日の演技はさらによかった。

なんというか、表現力において頭一つ抜けています。曲がBGMにならず、音楽そのものを表現できる選手は少ない。こればっかりは生まれ持った才能としか言いようがありません。もともと表現力に定評のある宇野くんですが、ランビエールコーチに師事してからちょっと異次元のレベルに突き抜けました。いやー、いいもの見せてもらったわ。

そして、曲の途中にかかった「月の光」に、ふたたび浅田真央ちゃんのSPを思い浮かべるねじねじ草。

真央ちゃんにしても宇野くんにしても、いい演技というのはびっくりするぐらいあっという間に終わってしまいます。それが「もう一度見たい」につながっていくんだなー。

ロシアのエレーナ・ラジオノワの2013年のゾンビダンス。10年経ってもまだ覚えています。一昨年のカナダのキーガン・メッシングの「Home」も、アメリカの原風景が目の前に浮かんでくるようでした。記憶に残る演技というのは必ずしも点数と直結するものでもないですな。

相変わらず採点がすっきりしない

表現力ばっかり言いましたが宇野くん、技術面でも去年より向上しています。4回転-3回転ジャンプが決まったのはよかった。去年はこのコンビネーションジャンプに苦戦していました。彼には4回転フリップという武器がありますが、鍵山くんや世界の強豪と渡り合っていくためにはこのコンビネーションは安定させたい。

いやしかし、4回転フリップ、回転不足をとられましたが回りきっていませんでしたかねー? 軸も細く高さもあったように見えたけどな。贔屓の引き倒しで言っているわけではなく、昨日は宇野くんに限らず「え?」というジャッジが多かった。ミハイル・セレフコか、二カ・エカゼだったか、点数がえらく渋くて地蔵のよう固まっていました。無理もない。

見慣れてくるとシロートでも、あ、これは回転不足かもというのは大体わかってきます。スロー映像で答え合わせをするわけですが、記憶違いでなければ宇野くんの4回転フリップのスロー映像、見なかったような。

フィギュア中継では前から、選手によってジャンプのスロー映像があったりなかったり、リンクカバー率の表示が出たり出なかったり、なーんか恣意的なものを感じることが多いんですよね。だからスポーツとしてオワッテルとか言われるんだよ。

控えめに言っても、大会によって採点傾向が変わるのはどうかと思いますよ。ええ、シロートの戯言です。

競技である以上、高難度への挑戦も見たい

一応スポーツである以上、高難度ジャンプへの挑戦はあってほしいものです。この大会に限らず今シーズン、それが圧倒的にもの足りないのが女子。一つには、ロシアのドーピング騒動も影響しているのでしょう。薬の力を借りて4回転ジャンプ跳んでもねぇ。これは論外。

もう一つは加点が減ったせいか、トリプルアクセルを跳ぶ女子選手が少ない! 難度とリターンが見合っていなければ、そりゃ戦略として手堅く無難な構成に走りますわな。選手やコーチを責めることはできません。

しかーし、「きれいな流れのあるダブルアクセルです」とか連呼されると正直、萎えます。いつの時代ですか。

女子に関しては難度的に停滞感が否めません。よって、見ていてつまらん。どなたさまもがんばれー、と声援だけ送っておきます。

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