フィギュアスケートTV観戦記(4)~いつか見た光景~

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ファンにも選手にも見切りつけられるで

はい、NHK杯男子フリースケーティング(FS)が終わりましたー。すんごい後味悪い結果となりました。

鍵山くんは実力のある選手です。伸びしろも十分。将来が楽しみな選手です。が、昨日のFSはトリプルアクセルで転倒してしまいました。4回転ジャンプは4回転サルコウと4回転トゥループの2種類。4回転-3回転のコンビネーションはなし。けがによるブランク明けなので、やっぱり後半ちょっとバテていた。

かわって宇野くんは転倒なし。4回転ジャンプは、4回転フリップ、4回転ループ、4回転トゥループの3種類。すべてきれいに着氷。4回転-3回転トゥループのコンビネーションもきれいに着氷。最後まで伸びのあるスケーティングで、相変わらずあっという間に終わってしまいました。

が、「フィギュアスケートTV観戦記③」で危惧したとおり、4回転ジャンプは全部回転不足をとられています。

正直なところ「また始まったー」。宇野くんの演技中、画面左上の採点表示に4回転ジャンプだけことごとく「審議中」の黄色ランプが点灯していくので予感はしていました。「これは鍵山くんに勝たせるつもりだ」と。

予感は的中。鍵山くんの転倒がなければまだしも……。難度が上で目立った失敗のない宇野くんを、転倒ありの鍵山くんが超えるというのはちょっと無理筋。予防線を張って昨日のSPで宇野くんの4回転フリップに不可解な回転不足をとっておいて、ダメ押しでFSでも4回転ジャンプの回転不足をとりまくったわけか。

この偏執的な減点の仕方、浅田真央ちゃんがトリプルアクセルの回転不足をとられまくっていた時を思い出します。

日本スケート連盟さん、世界スケート連盟さん、ほんとにいい加減ジャッジの透明化を図らないと、選手にもファンにも見限られるで。じわじわ自分たちの首を絞めているのに気がつかないのかな。

体操界を見習って、もちっと透明化を

体操界はいちはやく機械採点を導入していますよね。前から思っているのですが、スケート界も全選手のジャンプのスロー映像を示して、減点ポイントを明確にするぐらいのことは最低限やらないと、ちょっと採点基準が不透明すぎる。

同じジャンプを跳んでも大会によって回転不足をとられたり、とられなかったりするんじゃ本当にスポーツとして終わってますって。選手もやってられんよ。

フィギュアスケートはお金も時間もかかる競技です。こんなあいまいな基準では競技人口が減っていくんじゃないか。現に、昨季の世界選手権3位、アメリカのアリサ・リウ選手は16歳でとっとと引退してしまいました。

トリプルアクセルも跳べて、将来を期待された選手です。「楽しみな選手が出てきた」と思っていただけに、引退の知らせを聞いたときはがっかりしました。けがや故障ではなく「学業に専念したいから」という理由だったと思います。これって、見切りつけられちゃったんじゃないんですかー。

シナリオありきは白けるってばよ

今年から、鍵山くんのコーチに、イタリアのカロリーナ・コストナーが加わりました。浅田真央ちゃんと同時期に活躍した選手なので記憶にある人も多いでしょう。

コストナーコーチの指導の成果か、鍵山くんも表現面で目に見えて向上してきました。

それはいいのですが、次の2026年冬季オリンピックはイタリア・ミラノです。邪推ですが、コストナーコーチ招聘も日本スケート連盟のシナリオの一部なのかなと勘ぐってしまいます。この強引なNHK杯優勝も、その伏線の一つなのではと。

嘘かほんとか知りませんが、浅田真央ちゃん引退後のフィギュアスケートの人気低下を懸念する声に対し、スケート連盟のエラい人が「スター選手なんていくらでも作れる」と豪語したそうなので、こういう邪推もしたくなるわけで。(※あくまでも個人の勝手な想像です。)

鍵山くんは、小細工をしなくても実力のある選手です。ファンはガチンコ勝負を見たいんです。シナリオありきは白けるんです。このままではいよいよTV観戦もしなくなりそう。

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