フィギュアスケートTV観戦記(6)~グランプリファイナルFS~

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4回転全種類制覇の力技

グランプリファイナル男子、イリヤ・マリニンが金メダルをもぎとりました。まあ、異存はない。アクセルは失敗したとはいえ、4回転ジャンプ全種類跳ばれてはねぇ。なんも言えねー。

ただ、ステップになったとたんテレビの前でずっこけました。ジャンプとの落差が……。ドイヒー。でも次々と繰り出される4回転ジャンプが圧倒的で、思っていたより表現面でのアラが目立たなかった。

その正反対が、ケビン・エイモズのボレロ。最初のジャンプで派手に転倒してどこか痛めたのか、その後のジャンプが全滅という悲惨な結果に(´;ω;`)

しかし、昨日のフリーで一番惹きつけられた。「ぜひ完成形を見たい」と思わせる意欲的で芸術性の高い演技でした。ボレロは単調なようで滑りにくい曲だと聞くのに、さすがエイモズ。転倒でケガをしていないといいけど。ボレロ、追っかけるよー。

マンネリ化していた女子にやっと風穴が

住吉りをんさん。ちょくちょく名前はきいていましたが、いつのまにか4回転跳ぶようになっていたんだな。昨日は残念ながら失敗してしまったけれども、頑張ってほしい。

冒頭の4回転トゥループの失敗が3回転トゥループとして認定されてしまったせいで、後半の3回転フリップ-3回転トゥループのコンビネーションのトゥループが無効になってしまった(フリーでは同じジャンプは2回までしか跳べないので、トゥループの数が合計3回とカウントされてしまって最後の1個がないものとされる)。きれいに決まったのに大幅減点されてしまってもったいない。

難度の高いジャンプに挑むというのは、こういうリスクとも背中合わせです。浅田真央ちゃんのときにも思いましたが、難しいことに挑戦しているのに大技が失敗するとガバッと減点されるのは理不尽な気もしますが、ルールだからしょうがない。今回のことを教訓にリカバリー対策しておくれ。

3A成功は喜ばしいのだが

あとは吉田陽菜さんがトリプルアクセルを決めて3位に。やっと高難度ジャンパーが頭角を現してきて、マンネリの先に明かりが見えてきた。ただ、吉田さんのトリプルアクセル、どうも踏切の進入角度が斜めというかなんというか、違和感がある。はっきり言ってしまうと、ちょっとヘンなトリプルアクセル。

これは濱田コーチの門下生によくみられる跳び方で、紀平さんのトリプルアクセルにも同じことを思っていました。紀平さんがトリプルアクセルを跳んでいたころ、伊藤みどりさんが「ちょっと私たちの頃のトリプルアクセルとは違うみたいですねぇ」と意味深な発言をしていたのもむべなるかな。

紀平さんがスケート靴の足首部分をダクトテープでぐるぐる巻きにしていたりしたのも、ああいう跳び方をすると、足首に変な負荷がかかるからじゃないかな。紀平さんもケガつづきでパッとしないし、あのトリプルアクセルの跳び方、足首への負担の面からも非常に気になります。

静かな曲ほど実力が問われる

昨日のフリーを男女通して見て思ったことは、静かな曲ほどそのスケーターの力量がはっきり表れるということ。その意味で、宇野くんはやっぱり別格でした。あのしずかーな曲で退屈させずに観客の目を吸い寄せるというのは大変な技量です。表現力と技術のない選手が静かな曲で滑っても、間が持たなくて見ているほうは退屈してしまいますからの。

宇野くんとエイモズ、この二人がダントツで「魅せる」演技でした。女子では2位に入ったベルギーの猫娘、ルナ・ヘンドリクス。毎シーズン個性的なプログラムで楽しませてくれて、個人的に好きな選手です。

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